「一期一会」という言葉が好きです。人生で出会う人の数は限られていて、出会う人を選べないことの方が多いです。その中でも、大学生活という出会う人を1番選ぶことができる期間を、共に過ごした部活のメンバーは特別な存在だと思います。
というのも、僕は部活を人で選んだわけではありません。大学という学生生活の最後で、何かスポーツに打ち込んでみたいという思いからアイスホッケー部を選びました。実際アイスホッケー部で出会った人たちは、同じクラスだったとしても仲良くなれそうな人ばかりではありません。でも、だからこそアイスホッケー部に入って良かったと思っています。なぜなら、敢えて仲良くなることはないであろう人達と、一橋でやるホッケーを共に愛することができたからです。立場や考え方、性格や感性が異なる人々が同じ目標に向かって団結する、これがスポーツの1番素晴らしいところだと思います。これまでまともにチームスポーツをやったことがなかった僕にとって、学生生活の最後でこのスポーツの素晴らしさを知ることができたのは、本当に貴重な経験でした。
ここで、入部当初から振り返ってみようと思います。1年生のとき、コロナ禍の影響でスケート体験すらせずにアイスホッケー部に入部を決めました(ほとんどの同期は体験してから入部していましたが)。というのも、僕は体験して楽しかったからではなく、体育会の中では練習が少なくて他のことと両立しやすい、ほとんど未経験者だからみんな試合で活躍できる、などの謳い文句を鵜呑みにして入部を決めたのです。すなわち「甘い考え」のもと入部した訳ですが、部活が始まると現実はそう甘くないということを思い知らされました。練習が少ないのは本当でしたが、深夜に車で1時間以上もかけてリンクに通ったり、お金が想像以上にかかったり、2回もスピード違反で捕まったり、大変という2文字では言い表せない苦労があったと思います。また、ホッケーに関しても同期で最初に入部したにも関わらず、3年生のとき同期が皆試合で活躍している中唯一レギュラーから外れ、一度は完全に心が折れました。そして今シーズンは僕たち48期の集大成として臨んだ1年間でしたが、チームとしても個人としても満足のいく結果は残すことができませんでした。
それでも、仮に1年生の最初からやり直せるとしても、僕はアイスホッケー部を選ぶと思います。それはしんどいことを乗り越えた先に成功があったという綺麗事が理由ではなく、しんどくても結果が出なくてもやり抜くことができたという事実が、自分の人生のかけがえのない財産になったと信じているからです。アイスホッケー部での4年間は本当にしんどかったからこそ、今振り返ると大きく輝いているのです。側から見ると「わざわざしんどい事をしているアホ」かも知れません。確かに社会に出たらコスパを重視して生きていくべきでしょう。ですが「部活にコスパは要らない」のです。大学生というコスパ度外視で生きられる最後の時間を、アイスホッケー部に捧げることができて本当に良かったと思います。これからの人生も、4年間一橋アイスホッケー部でやり切った事を誇りに生きていきます。
長くなりましたが、アイスホッケー部で関わった皆様に感謝の意を表して筆を置こうと思います。まずは先輩方の皆様、至らないところばかりの後輩でしたが、ご指導していただきありがとうございました。これからはOB同士としてよろしくお願いします。次に後輩のみんな、本当に頼もしくなったと思います。これからは微力ながら支援させてもらうので、頑張ってください!またご指導いただいたコーチの方々、特に工藤優太コーチには4年間大変お世話になりました。普段はとても接しやすい一方、時にはホッケー以外のことも厳しく指導していただいたことには感謝しかありません。そして同期のみんな、4年間一緒に過ごしてくれてありがとう。全員未経験とは思えないほどみんなホッケーが上手くて、その中でプレーできたことは本当に幸せでした。個性豊かな同期の中で、自分から馴染もうとしなかった僕ですが、卒業旅行に行ける、思い出話に花を咲かせられる同期は自分にとって大きな存在であり続けると思います。これからもよろしく!最後になりますが、その他お世話になったすべての関係者の皆様、支えてくれた家族・友人のみんな、本当にありがとうございました。
一橋大学アイスホッケー部に幸あれ!
48期 古元大輝
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